大学卒業後、社会との接点を感じられず強い孤独を感じ、心が身体から抜け出して足が地についていない感覚があった。そんな中、大分に移住して、自分を取り戻そうとしていた時、図書館で偶然手に取った、脳神経科医オリヴァー・サックスの著書に興味を持った。彼の著書を読み、私たちが目にしているものはすべて脳が見せているものだと気づく。彼の、「脳が知りたがっているのはこの世界のことであり、光や音そのものではない」という言葉に納得し、普段見えている世界の裏にある、「もう一つの真実」について表現した。日常のとりとめのない風景でさえ、私は何も分かってはいないし、その中にこそ、私の描くべき主題があると気づいた作品である。

→ View the video “Discription of my work (2018-2024)” on Vimeo